夢は醒めるもの。夢の様な約二週間が終わった。温もりの絶えない二週間だった。幸せが、あたしの体内を止めどなく流れていた。靄が消散してゆくのを感じた。
一度順調を知ってしまうと、それを維持することができるか、不安になる。自分管理を怠ってはいけない。順調は刹那だから。あたしはこのままで在りたい。今のこの状態を保ちたい。たとえ、夢が終わっても。夢にすがってはいられない。現は常に流れるもの。その流れに身を任せつつ、己を保つ。容易ではないと思うけれど、あたしは負けたくないから。距離にも、時間にも、欲にも。
小雨が降っている。なんだか心模様がそのまま表れているみたいで、可笑しい。
一ヶ月後、きっとあたしは、晴天の中。軽い足取りで歩いているはず。