今日、あの景色を見た。雨でどんよりした海は、それでもやっぱり思い出を映し出してた。道を行くたびに顔に力が入ってくのがわかった。あぁ、あたし、全然まだ平気ぢゃないんだって思った。平気だと思ったんだ、あの時。でも、平気なはずないんだ。あんなに短かったけど濃ゆい時間は確かにあった。あたしはまちがいなく幸せを感じた。今までにない感覚を覚えてしまった。だから、それを忘れるには時間がかかって当たり前なんだ。平気なんて言わない。あたしは孤独に弱いから。すがりたくなってしまうんだ、なにかに。必死に紛らわしてる。心臓のどきどきに気付かないふりをしてる。なにも変わっていない、そう思い込むしか、今はできない。どうにかしたいわけではない。なにか行動を起こしたいわけでもない。傷心…当たり前の感情だ。今は耐えるしかないんだ。いつか笑ってだれかに幸せを与えられる日を待たなきゃ。時間がかかっても。待たなきゃ。きっとだれかと笑い合えるときがまたやってくるって、信じていかなきゃ。
忘れようなんて思わない。忘れる必要はない。ずっとあたしの心にしまっておくから。今、聞いてみたい言葉と一緒に。大切に。
なんとかなるっ。がんばるぞ。