きっと今から書くことを君が見たら、そーゆーところが嫌いなんだって言うかもしれないね。でもね、どこに吐き出せばいいか、打ち明ければいいか、わからないからここに書かせてほしい。何度も伝えたことをまた繰り返しているかもしれない。未練がましいかもしれない。けど、書かせてください。
君のいない今は、なんだか違う世界にいるみたい。前と同じものを見ても、同じものに見えない。安心して、あぁいつもの景色だ、と思えない。あたしの傍から君が消えてしまった。だから今までの日常が、非日常になっちゃった。そしてね、なにを見ても、なにを聞いても、思い出と重ねてしまう。全然違うのに、フラッシュバックみたいに思い出すんだ。可笑しいよね。なにげない日々が、本当に愛しいものだった。
君の嫌いなとこね、いろいろあった。なんで?って思うこと、いろいろあった。怖い思いもした。たくさん泣いた。二人でいることに迷ったことも何度かあった。でも、それでも、君という存在は、確かにあたしを支えていた。居なきゃいけなかった。どんなに憎たらしいこと言われても、腹が立っても、存在に救われていた。なにもしてくれなくても、ただ居るだけで、嬉しかった。なにが好きだったか、どこが好きだったか、なんか、そんな単純なものぢゃなくて、存在が好きだった。車に乗るとき繋ぐ手、寝るときに絡める足、よしかかる背中、やわらかい笑顔、あたしの名前を呼ぶ声。まだまだたくさん。愛しさで溢れた存在だった。
君を、あたしはたくさん困らせたね。病気のこととか、泣き虫なとことか、弱過ぎる性格とか。ほんと、しょーもない奴だって思ってたと思う。呆れられるのを、いつも恐れてた。こんなんじゃいつか嫌われるって。でも、なかなか直せなかった。あたしが駄目なとき、君は、気楽にやれって言ってくれた。抱き締めてくれたり、撫でてくれたり、代わりにご飯作ってくれたりした。…あたし、彼女として情けなかったね。なにも彼女らしいことしてなかったね。もっとたくさんしてあげるべきこと、今になってたくさん思い浮かぶ。もう遅いけど…ごめんね。
君が、今を充実させたいって言ったとき、あぁ、自由にさせてあげなきゃって思ったんだ。一緒にいたいっていう気持ちは、もうきっと届かないだろうなってなんとなく思った。あたしも、君の重荷になってるってこと、ちょうど悩んでたときだったから尚更かな。潮時なのかなって思った気がする。解放してあげなきゃいけないなって。ほんとはそんな簡単に決意できたわけない。ただ…苦しめたくなかった。君のやりたいことをやらせてあげたかった。今を満喫してほしかった。そこにあたしが居たら、それが叶わないこと、自分でわかってた。あたしはまだ子供だから。
今のあたしの気持ちは、自分でもよくわからない。君が傍にいなくて、ここがあのアパートの部屋じゃないことが悲しい。そして、君の夢を応援したい。今を充実させて、生き生きした君をみたい。見守りたい。なのにどこかでまだあたしのことを心に置いておいてほしいと願ってる。矛盾してるね。今はどう収拾つけていいのかわからないんだ。君の存在は今でもあたしを支えてる。この気持ちは、まだ好きってことなのかな。よくわからない。でももう少し、このままでいさせてほしい。
ね、うだうだしてて君の嫌いなあたし丸出しでしょ。ごめんね。
そしてね、あたしからも言わせて。
思い出は心の中に。想いはここへ、置いて行きます。